宗祖法然上人800回大遠忌

法然上人を歩く旅から


 

第6回 千本ー本竜野 16.5km


初冬の色どり(新宮町大屋)

 平成19年12月9日日曜日。晴れ。バス組25名は午前8時に京都駅を出発し、中国自動車道から山陽道に入りたつの市に向かう。車も少なくバスは順調に走り、時間あわせのため速度を緩めながら10時には本竜野ICを降りる。市街地を抜けて道の駅で小休止して、午前11時前に千本駅にバスは到着。 待つこと数分で姫新線の気動車が定刻通りに到着。現地集合の方々を含め23名が合流して、歩く旅一行は48名となり過去最多を記録する。
 2カ月ぶりの再会に互いに挨拶を交わし、駅舎をバックに恒例の記念撮影。11時きっかりに千本駅を出発。気温は10度ぐらいだが、吹く風は肌に冷たく感じる。一行は交通量の多い国道を避け、駅を出てすぐにたんぼ道に入り東進する。栗栖川を渡り金井地区に入り川沿いに進む。道の両側には刈り取られた田や枯れたコスモス畑がひろがる。道は平坦、周りは田んぼ、左右の落葉間近な木々の葉で褐色になった山々を眺めつつ足取りはいたって順調。能地、出茶屋地区を過ぎて大屋まで45分。このあたりで昼食とするか、それとも朝立ち寄った道の駅まで直行するかをしばし相談。しかし、大自然の風景を楽しみながら食事をということで、あぜ道に腰掛けて早めの昼食をとることに(道の駅の熱々の100円豚汁、250円焼き芋にも少々未練があったのですが)。

 昼食を終えて進む一行の空に突如、時雨雲が流れてこぬか雨が舞う。平野を過ぎ約20分、道の駅にて小休止。お店に「醤油饅頭」の張り紙があり、一瞬「?」となるも疑問を抱きつつ午後12時45分に出発する。栗栖川を渡って右に折れて南進、新宮町柴田、市野保地区に入る。このあたり一帯は歴史の里「越部」といわれ、古来の美作道はこのあたりを通っており駅馬を常備した駅があった伝えられている。晴れたり時雨れたりの中、一行は南に歩を進め1時20分に新宮町馬立に入り再び栗栖川を渡り下野田地区に入る。道沿いに真新しい石の鳥居があり、その奥に荒れ果てた小さなお宮がある。そのアンバランスに驚くも地域の人々の篤い信仰心のあらわれと得心する。時雨雲はなくなり、空は青空となる。下野田地区を過ぎて再び往来の多い出雲街道に入るが、歩道が整備されているため歩きやすい。午後1時50分、佐野地区に入り再び栗栖川を渡る。この少し先で栗栖川は揖保川に合流してたつの市内を流れる。

 時刻は午後2時過ぎ、道脇の大きな銀杏の木が黄金色に染まって下の歩道は銀杏の落ち葉で埋まり、一行はギンナンを避けつつ通り過ぎいよいよたつの市の旧市街地に入る。たつの市は脇坂藩の城下町で、狭い道路に低い軒の家並みが続き、昔の面影を色濃く残している。たつの市には西山禅林寺派のお寺があり一行は参詣を予定している。道に迷うことなく着いた当派のお寺「普音寺」は脇坂藩の菩提寺で揖保西国第二十一番霊場である。一行はお出迎えのご住職をはじめお寺の関係者の方々に挨拶し、全員本堂へ上がって歩く旅の無事を祈ってお参りをし、お寺の縁起を拝聴する。境内では檀家の皆様から甘酒、お茶、そして「?」であった「醤油饅頭」のご接待を受け、全員が鋭気を養う。途中でうすくち龍野醤油資料館に立ち寄って時代を感じさせる様々な器材を見学する。その後、ヒガシマル醤油の工場を眺めつつ揖保川にかかる龍野橋を渡って本竜野駅へ。15時40分到着。
  今回は「行けども行けども冬枯れの道」でした。今回で歩く旅の距離は累計で99km。次回は明年3月9日(日)JR本竜野駅からJR姫路駅まで、19kmの予定。(事務局 結城記)


JR姫新線千本駅にて記念撮影


参詣した普音寺ご住職のお話


ススキの残る田園地帯(新宮町能地)

あぜ道で昼食(新宮町大屋)

突然の時雨空(新宮町市野保)

小さなお宮の前を(新宮町下野田)

たつの市の旧市内を(上霞城)

普音寺境内でのお接待
 
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