京都東山 永観堂

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永観堂の寺宝


十六羅漢像(跋陀羅 部分)


永観堂の所蔵する寺宝の「部分拡大画像」をお届けします。展示会などでは間近に見ることの少ない寺宝の細部をお楽しみください。なお、表示画像は見やすくするため画像処理を施しています。実際の色合いや明瞭さと若干異なることがあります。十六羅漢像十六幅をシリーズでお届けします。

十六羅漢像(その5):跋陀羅(ばだら)

南宋の画家金大受筆本の系統を中心に、ある程度定型化の進んだ鎌倉後期以降の十六羅漢画にあって、禅林寺本は異色の羅漢像として特筆される。全体に動物や侍者、天部などを多く添え、背後の景観描写にも配慮を怠らないばかりか、象や虎に跨る姿や耳朶を長く垂下させるもの、海上をすべるように渡る羅漢など、日本では他に例を見ない羅漢が目に付く。しかし、大徳寺本五百羅漢像(南宋)や愛知・妙興寺本十六羅漢図(元)の一部に、禅林寺本と近い像容が見出され、本図が金大受筆本とは別系統請来画に拠ったことが窺われる。諸尊の裏彩色を併用した丁寧な顔貌表現と闊達な筆使い、対比の効いた豊かな賦彩は賞すべきで、制作は鎌倉後期と考えられる。中世羅漢画の多彩な展開を示す好例といえよう。

十六幅 絹本着色 各 93.6cm × 40.9cm

重要文化財指定 絵第728号 昭和25年8月29日