花信風法話 「心に花をさかせよう」

永観堂法主 中西玄禮

96(最終回)卒 業

   まだ何も書かれていない予定表 なんでも書ける これから書ける   俵万智

 今年も我が母校・県立姫路南高校の卒業式に招待され、同窓会長として出席しました。卒業を英語で「commencement」というのですが、これには「開始」「はじまり」という意味もあるのです。 つまり、卒業は終わりではなく、新しい人生の始まりでもあるのです。毎年、来賓を代表して卒業生に祝辞を述べるのですが、今年は次のような言葉を餞(はなむけ)に贈りました。
 「若者よ、夢と希望を持て、とは昔から言い慣わされていますが、夢を実現するために必要なことは、やる気・根気・勇気・元気という四つの気です。中でもやる気が起きるのはどんな時かというと、
 1、目標がある
 2、好奇心がある
 3、やり遂げた達成感がある
 4、やればできるという自信がある
 5、褒められたり認められた
時にやる気が起きるといわれています。しっかりした目標を持ち、 好奇心を失わず、達成したら更にハードルを上げ、人生をあきらめず、今をはつらつと生きる努力をすれば結果はどうであれ、誰かが必ず認めてくれるのです」。こんな風に語りかけましたが、 半分は自分自身に言い聞かせてもいるのです。いずれにしても、どんなに環境が変わっても「必要とされる人」でありたいものです。

 ところで、その私自身ですが、8年間務めあげた本山の管長職を卒業して、5月28日に永観堂を去り、姫路にある自坊の大覚寺に帰ることになりました。 特別になにか大きな仕事をした訳ではありませんが、唯一つ自慢出来ることがあるとすれば、8年の任期中、病気で寝込んだ日が一日もなく、与えられた公務を充分とはいえないまでも、 ほぼ100%成し遂げたことです。中でも永観律師900回忌・法然上人800回忌・源信和尚1000年忌の法要の導師を無事務めあげられたこと。また、全日本仏教会の副会長として、 韓国で開催された世界仏教徒会議において、日本仏教界を代表して英語でスピーチしたことも忘れられません。今日まで随分多くの方にお目に掛り、 また宗務所はじめ多数の方々に大変お世話になりました。ご厚恩に対し深くお礼申しあげます。
 このホームページをご覧いただいた方々にも感謝いたします。有難うございました。 ともあれ、お別れです。

「思えばいと疾し この年月。今こそ別れめ いざ、さらば」

=おわり

【お詫び】退山の日を4月25日としておりましたが、5月28日に訂正いたします。

 

境内のしだれ桜

境内のしだれ桜


「花信風法話集」
PDFファイル