本年は、法然上人が浄土宗を開き850周年を記念し『禅林寺に見られる浄土教美術の世界』をテーマに特別寺宝展を開催します。禅林寺所蔵の重要文化財「二十五菩薩来迎図絵扉」や「阿弥陀来迎図」など、浄土教絵画や法然上人にまつわる作品を中心に、史上初公開となる火焔宝珠形舎利容器ほか見どころも万歳。貴重な所蔵文化財を一挙にご覧いただき、宗祖法然上人に思いを馳せてください。
特別寺宝展で公開される所蔵文化財の一部をご紹介します。
二十五菩薩来迎図絵扉 〈鎌倉末期~南北朝時代〉
(全絵扉が展示されることは非常にめずらしく、数十年ぶりの全絵扉公開となります)
元々は善導大師の木像を収めていた厨子の正面および両側面に取り付けられていたと伝わっている扉絵で、観音菩薩・勢至菩薩をはじめ、阿弥陀如来の眷属である二十五菩薩像を彩色豊かに描く。
二十五菩薩来迎図 〈鎌倉時代〉
観音菩薩・勢至菩薩を除いた二十五菩薩が描かれる来迎図。恐らく、彫像の阿弥陀三尊像の後ろに掛けられていたと考えられる。全体的に動きは少なく、正面に向かって穏やかに来迎する様子が表現される。
阿弥陀来迎図 〈鎌倉時代〉
踏割蓮華に立ち、左斜め下を向いて立つ独尊の阿弥陀如来像。足下に来迎雲は描かれないが、左に体を向けていることから来迎図として作られたと考えることができる。多数ある鎌倉期の独尊来迎図の中でも異色の作品。
火焔宝珠形舎利容器
(法然上人舎利)
〈南北朝時代〉
近年、禅林寺宝蔵より見出された舎利容器。四方火焔という特徴や、火焔のゆらぎや立体感は鎌倉時代風であるが、やや緊張感に欠けることや宝珠の形状から南北朝時代の作品と考えられる。中に込められた舎利には朱で法然と記されている。
阿弥陀三尊像
(張思恭)
〈中国・南宋時代〉
阿弥陀如来・観音菩薩・勢至菩薩の三尊が正面を向いて踏割蓮華に立つ様子を描く。画面向かって左端中ほどに「張思恭筆」と金泥で書かれている。まるで、実際の彫刻を模したような実体感のある後背が特徴的。
両巻無量寿経宗要 〈鎌倉時代〉
新羅の高僧・元暁(617~?)が撰述した『無量寿経宗要』の鎌倉写本。『無量寿経宗要』の写本としては、他に例を見ない唯一無比の古鈔本である。元暁の浄土思想において『阿弥陀経疏』と並び不可欠の書。
アクセス
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JR・近鉄 | 「京都」駅から市バス5系統で「南禅寺・永観堂道」下車 徒歩3分 |
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京阪電車 | 「三条」駅から市バス5系統で「南禅寺・永観堂道」下車 徒歩3分 「神宮丸太町」駅から市バス204、93系統「東天王町」下車 徒歩8分 |
阪急電車 | 「京都河原町」駅から市バス5系統で「南準寺・永観堂道」下車 徒歩3分 |
地下鉄 | 東西線「蹴上」駅下車 徒歩15分 |
※拝観にお越しの方は下足袋をご持参ください。 ※マイカーでのご来訪は、ご遠慮願います。
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