薬師如来像
永観堂の所蔵する寺宝をお届けします。展示会などでは間近に見ることの少ない寺宝をお楽しみください。
なお、表示画像は見やすくするため画像処理を施しています。実際の色合いや明瞭さと異なることがあります。
重文 薬師如来像
解説
二重円光背を負い、完備した九重の蓮華座上に、左足を前にして結跏趺座する独尊の薬師如来を描く。如来は臍前にて左手で宝珠状の薬壷を持ち、右手は第3、4指を屈し、白毫からは七筋の光芒が放たれる。偏袒右肩に纏う大衣は褐色により、当初の紫かと思われる色感は無いが、随所に彩色の花丸文が散らされ、衣褶線には金泥が置かれ、蓮華に垂下するしなやかな質感の表現は巧みである。蓮台には具色を交えた華麗な彩色が施されていたようで、特に三重に葺かれた蓮弁の繧繝風の賦彩は、当初の見事な様を髣髴とさせてくれる。そもそも薬師如来の画像は彫像に比べて極端に遺品が少なく、当初より独尊像であったかも不明である。やはり燻染により画趣を損ねてはいるが、鎌倉後期に遡る薬師画像として貴重でる。
絹本著色
94.5cm×53.0cm
鎌倉時代