融通念佛縁起絵巻

融通念佛縁起絵巻(部分)


永観堂の所蔵する寺宝をお届けします。展示会などでは間近に見ることの少ない寺宝をお楽しみください。
今回は、国重要文化財指定の融通念佛縁起絵巻をお届けします。
なお、表示画像は見やすくするため画像処理を施しています。実際の色合いや明瞭さと異なることがあります。


重文 融通念佛縁起絵巻(伝 土佐光信筆)


解説
 孔融通念佛縁起とは、融通念佛宗の開祖良忍(1073~1132)の事績と融通念佛の功徳を表した縁起で、正和三年(1314)に原本が成立し、以後転写本が流布した。禅林寺本は応永二十一年(1414)制作の京都清涼寺本に倣う上巻九段、下巻八段の構成で、上巻巻頭の後華園天皇、下巻巻頭の足利義政をはじめ合計十四人によって詞書が書される。それぞれの詞書の識語から、寛正四年から同六年にかけて制作されたことが確認できる。絵は全段一筆と見られ、明るく豊麗な賦彩に特徴が認められる。寺伝によると土佐光信筆とされるが、光信によって文明八年(1476)に描かれたとされる石山寺縁起絵第四巻の豊麗な画風に近似している。なお禅林寺には、文安四年(1447)の奥書を有する後崇光院の筆になる融通念佛勧進帳が伝えられている。。
巻上 36.7cm×1933.0cm 巻下 36.7cm×2086.0cm
紙本着色
室町時代