竹虎図

竹虎図(部分)


永観堂の所蔵する寺宝をお届けします。展示会などでは間近に見ることの少ない寺宝をお楽しみください。
今回は常設展示されている長谷川派の筆になる襖絵です。 なお、表示画像は見やすくするため画像処理を施しています。実際の色合いや明瞭さと異なることがあります。


竹虎図たけとらず


解説
 釈迦堂の北西の角に位置する虎の間には、東側半間幅の四面と南側一間幅の四面を合わせて竹林の中に躍動する虎の姿を描く。東側襖には川の水が竹林の奥から流れ出て、岩を叩いて大きくうねり、その脇に一頭の小振りの虎が体を翻すような姿勢をとる。水流は南側襖の竹林中の岩場を伝い、やがて大きくゆったりとした流れへと変わる。この水際に二頭の大きな虎が片跳躍して上から威嚇するように対峙する。画面には補筆が多いものの、岩の皴法や虎の描法に長谷川派の作例と共通する特徴が認められる。しかし、形式的になりつつある竹の表現などから等伯の直接的関与は考えられず、その門人の筆になるものと見做される

紙本金地着色
四面各182.4cm × 140.0cm 四面各181.5cm × 92.0cm
安土桃山時代