
孔雀図
永観堂の所蔵する寺宝をお届けします。展示会などでは間近に見ることの少ない寺宝をお楽しみください。
今回は、古方丈の襖に描かれた孔雀図(部分)をお届けします。
なお、表示画像は見やすくするため画像処理を施しています。実際の色合いや明瞭さと異なることがあります。
孔雀図(原在明筆)
解説
孔雀の間(古方丈)の中の間を飾る四面の襖。中央に岩上の雄の孔雀と牡丹の花を、左に雌の孔雀を描く。各部の表現は、孔雀には豊麗な賦彩を施す堅実な写生派の描法、牡丹には謹直な描線と清廉な印象を与える淡彩、岩には濃墨による力強い存在感を表す水墨の表現と、それぞれ対比を見せている。背景には金銀の泥、砂子を施す。原在明(1778~1844)は、円山応挙から始まる写生派の一流派として一家を成した原在中の次男で、父の遺風をよく受け継いだ、在明の作品が納まることになった経緯について、詳しいことは不明である。
各179.7cm×139.7cm
紙本着色
江戸時代前期