
新緑の境内
梅雨入りの6月。雨に濡れた境内のモミジの若葉がきれいです。新緑の中で阿弥陀さまとご縁を結んでいただきたく、新緑キャンペーンを実施中です。
夏安吾
インドでは雨季の約三ヶ月間、佛教徒たちは屋外での修行をやめて一定の場所にとどまって修行をしました。この時期、草木や小さな虫などが活発に活動するため、無用な殺生を避けるために一所にとどまって修行に専念します。雨期の夏場に行われることから雨安吾(うあんご)ともいわれます。
日本でもそれぞれの宗派において一定の期間外出をせずに修行研鑽に務めます。永観堂でも毎年六月中旬に安居を行い、当派の僧が今までの研究成果を発表し討論します。本年は日程の都合上、7月に行います。その時期の始まりを結制といい、終わりを解制(げせい)といいます。
どのような“いのち”も傷つけないことをサンスクリット語ではアヒンサー(マハトマ・ガンジーの非暴力主義としても知られている言葉)といい、佛典では「不殺生」と訳されます。
アヒンサーを厳格に守るインドの宗教にマハーヴィーラを開祖とするジャイナ教があります。ジャイナ教は釈尊と同じころにインドで興り仏教と共通する教えも少なくありません。現在も4~5百万人のジャイナ教徒がいるといわれ、不殺生を教理とすため教徒の多くは農業ではなく商業に従事するといいます。われわれ佛教徒の夏安居も、このアヒンサーに基づく修行です。