今月の行事



ヒガンバナ

彼岸花

秋のお彼岸(あきのおひがん)

 “彼岸”とは迷いの世界であるこの世(此岸)を離れて悟りの世界(彼岸)を求めることです。その悟りの世界に到達する実践目標として六つの心がけ(六波羅蜜)があります。

1.布施(ふせ)
  あなたは何を与えられますか。 何を与えていますか。
2.持戒(じかい)
  あなたは自らを律していますか。
3.忍辱(にんにく)
  あなたは我慢しなくてはならないときに我慢できますか。
4.精進(しょうじん)
  あなたはいつも前向きですか。
5.禅定(ぜんじょう)
  あなたはいつも静かな心で居られますか。
6.智慧(ちえ)
  あなたはいつも佛様の智慧を頂いていますか。

 今回は“持戒”についてです。
 佛教には律と戒があります。律は集団を維持するための規則ですから、違反すれば罰則が科せられます。戒は自分で守るものですから罰則はありません。 戒は自分の自覚、意思の問題なのです。佛教ではすべての人が最低限保持すべき戒として七佛通戒偈、三帰依と五戒を挙げます。
 ここでは五戒について考えてみましょう。これは基本的には生活の規範です。乱れた生活の中では心を静め、正しい判断ができなくなってしまうからです。 五戒とは不殺生戒、不偸盗戒、不邪淫戒、不妄語戒、不飲酒戒の五つです。

・不殺生(ふせっしょう)、生き物を殺してはいけない。これは簡単といえば簡単ですが、私たちは他のいのちを頂いて生きていますから、”いただきます”という感謝の気持ちを忘れてはいけません。
・不偸盗(ふちゅうとう)、盗んではいけない。簡単明瞭です。しかし、何でも自分のものにしたいという気持ちが起こります。独占は一種の偸盗です。
・不邪淫(ふじゃいん)、みだらな異性関係をもってはいけない。誰もがわかっているけれど、往々にして忘れられています。
・不妄語(ふもうご)、嘘をついてはいけない。人間は自分がかわいいから無意識に嘘をついて自分を庇ってしまいますが、自分には嘘をつけません。
・不飲酒(ふいんしゅ)、酒を飲むな。人にもよりますが、酔うと自分を見失いまわりの人に迷惑をかけます。分かっていても止められない、今も昔も守ることの難しい戒です。

 佛教が私たちに求めるのはこれらの戒を厳格に守ることではありません。実践は難しいという自覚を持つこと、すなわち自分は凡夫であるという認識をしっかり持つことです。 それが信仰への道なのです。