永観堂の寺宝


山越阿弥陀図
山越阿弥陀図

阿弥陀如来像


 永観堂の所蔵する寺宝をお届けします。展示会などでは間近に見ることの少ない寺宝をお楽しみください。
 今回は、国宝 山越阿弥陀図の拡大画像とそのイラストをお届けします。 なお、表示画像は見やすくするため画像処理を施しています。実際の色合いや明瞭さと異なることがあります。またイラストは原画のイメージを示すもので、色彩、模様及び細部の描写は原画と異なります


山越阿弥陀図( やまごしあみだず)(国宝)より
その1 阿弥陀如来像


解説
  緩やかな尾根の連なる山並から、大海を背に転法輪印を結ぶ阿弥陀が上半身を現わし、一方白の来迎雲に乗る観音・勢至の両菩薩はすでに山を越え、その下方には四天王と持幡童子が左右対称に立つ。銀泥の頭光を負い正面を向く阿弥陀は、山の端の満月を想起させ、踏み割り蓮華に立つ両菩薩は各各両側を向いて腰を屈め、勢至は合掌、観音は蓮台を捧持する三尊はともに肉身を金泥とし、彩色の着衣には金・銀泥や切金で細緻な文様を施す。下方の四天王と二童子は「拾遺往生伝」に記載があり、また画面左上の大日如来の種子「阿」字から、本図は高野山で行なわれていた真言念佛の本尊で、承久三年(1221年)禅林寺に入った静遍(1166~1224)の関与が指摘されてきた。制作年代は十三世紀半ばを降らず、南都をも含めた様々な思想を背景に生まれた山越阿弥陀の、現存最古にして最も優れた遺品であることは間違いない。

絹本着色
138.0cm×118.0cm
鎌倉前期