刺繍 種子阿弥陀三尊図

刺繍 種子阿弥陀三尊図


永観堂の所蔵する寺宝をお届けします。展示会などでは間近に見ることの少ない寺宝をお楽しみください。
今回は、作者不詳ですが永観堂に伝わる梵字で表現された阿弥陀三尊図をお届けします。 なお、表示画像は見やすくするため画像処理を施しています。実際の色合いや明瞭さと異なることがあります。


刺繍 種子阿弥陀三尊図( ししゅう しゅうじあみださんぞんず)


解説
朱子繍いを施した紺地に、円相内の蓮華座に乗る阿弥陀三尊の種子(梵字)等を刺繍で表す。中央には大きく阿弥陀の種子「キリーク」を、右下に観音の「サ」、左下に勢至の「サク」を配す。上方には花唐草を散らした天蓋を、下方には薫煙の立ち上がる香炉と花瓶一対を置く三足の卓を表し、さらに天地に散華を表す一文字を設け、その上下は蓮唐草を繧繝繡いで表す。阿弥陀の蓮弁は赤、黄、白、紺、緑、白茶、と色糸を重ね、上下の蓮華も紫、赤、白に繍ぬわれ、暗い地色に華やかに浮き立つ。同様の中世の作例は、栃木・輪王寺本や当麻寺中ノ坊本など多数残されている。本品は観音の部分など右方が多少切り詰められてはいるものの、丁寧で色彩豊かなその技法から鎌倉時代に遡る作と考えられる。

刺繍
105.5cm×31.0cm
鎌倉時代