胎蔵界曼荼羅図

胎蔵界曼荼羅図


永観堂の所蔵する寺宝をお届けします。展示会などでは間近に見ることの少ない寺宝をお楽しみください。
今回は、真言密教のお寺として創建された永観堂に伝わる「両界曼荼羅図」からお届けします なお、表示画像は見やすくするため画像処理を施しています。実際の色合いや明瞭さと異なることがあります。


りょうかいまん より たいぞうかいまん


解説
 浄土教における当麻曼荼羅に対して、両界曼荼羅は密教の根本教理を表したもので、中台八葉院を中心に十三院をめぐらす胎蔵界と、成身会をはじめ九会に区画される金剛界からなる。禅林寺に伝わる三幅一鋪の本図は両界曼荼羅としては小振りで、空海が唐から伝えた「現図」系の曼荼羅に相当し、日本に流布する最も一般的な形式になる。地色の群青や朱色の発色がやや鈍いせいか、全体にくすんだ印象を受けるが、地模様には切金を用い諸尊の金具に箔を置くなど作画は本格的である。しかし諸尊の稚拙な表情や均整に欠ける姿態など、硬い表情が目に付き制作は室町前半頃に降る。ともあれこの時代の禅林寺に、密教がなおも息付いていたことを示す遺品である。

絹本着色
146.3.cm×132.3cm
室町時代