永観堂のご紹介



私たちの宗旨

私たちは、阿弥陀仏に帰依し、そのお慈悲を深く信じ、
悦びのお念仏を称えましょう。

私たちは、仏のみ教えをうけて、くらしの中に生かし、
人々と和合し社会の浄化につとめましょう。




みかえり阿弥陀像

本尊(国・重文)
みかえり阿弥陀像

(解説はこちら)

永観堂の正式名称

聖衆来迎山しょうじゅらいごうさん 無量寿院むりょうじゅいん 禅林寺ぜんりんじ
第七世永観ようかん律師りっしにちなみ’’永観堂えいかんどう ''と通称される。
創 建
貞観五年(863)
清和天皇より「禅林寺」の勅額を賜う
宗 派
浄土宗西山せいざん禅林寺派
宗 祖
法然上人(源空)
派 祖
西山上人(證空または証空)
法 主
第九十一世 久我 儼昭猊下
(平成30年6月1日就任)


永観堂略史

和歌1

 この歌は、平安時代初期に、永観堂(禅林寺)を創建された弘法大師の弟子真紹しんじょう 僧都(797-873)の徳を慕って、自分の別荘を寄進した藤原関雄の詠んだ歌です。永観堂は仁寿三年(853)の草創以来今日まで、幾多の文化人達の筆や口にもてはやされ、親しまれて、“モミジの永観堂”として千百有余年のかがやかしい歴史を持った京都有数の古刹です。 真紹僧都は真言宗の僧侶であったため、禅林寺は真言密教の道場として始まります。創建にあたって、真紹僧都は「仏法は人によって生かされる、従って、我が建てる寺は、人々の鏡となり、薬となる人づくりの修練道場であらしめたい」との信条のもと『禅林寺式』を著し、照り映えるモミジ葉の輝きにも負けぬ、智徳ともにすぐれた人材養成を理想の旗印に掲げられたので、風光の美しさとともに、伝統的に各時代の指導的人材の輩出を数多く見ることとなりました。
 永観堂の歴史は、大きく三つの時代に分けられます。最初は真紹僧都から永観ようかん 律師(1033-1111)が住職になるまでの約220年間で、真言密教の寺院としての時代です。次は永観律師から静遍じょうへん 僧都(1166-1224)までの約140年間。この時代は、真言密教と奈良で盛んだった三論宗系の浄土教寺院でした。その後は浄土宗の寺院となりました。

和歌2

と詠まれた永観律師はことに高名です。律師は、自らを「念仏宗永観」と名のられる程、弥陀の救いを信じ、念仏の道理の基礎の上に、当時、南は粟田口あわたぐち 、北は鹿ケ谷ししがだに に到る東山沿いの広大な寺域を持った禅林寺の境内に、薬王院という施療院を建て、窮乏の人達を救いその薬食の一助にと梅林を育てて「悲田梅」と名づけて果実を施す等、救済活動に努力せられたことは、多くの史書にみえるところです。永観律師は幼少より秀才の誉れが高く、三論宗の学匠として名声を得るまでになりましたが、地位も名声も捨てて東山禅林寺に隠遁することを選びます。18歳から日課として一万遍の念仏を称え、後には六万遍もの念仏を称えたといわれています。禅林寺を永観堂と通称するのは、永観律師に由来しています。
 永観堂を浄土教の寺院にしたのは、静遍僧都です。鎌倉時代の初め、源頼朝の帰依を受けた真言宗の学匠静遍僧都は、法然上人(1133-1212)の死後、その著「選択せんちゃく 本願念仏集」にある念仏義を批判するために、再三再四読み下すうちに、自らの非を覚り、浄土教の教えに帰依されました。静遍僧都は誹謗の罪をくいて、法然上人をこの寺の11代住職に推し、自らを12代としました。そして、法然上人の高弟西山証空上人(1177-1247)に譲りました。その後、証空上人の弟子、浄音 じょうおん 上人(1201-1271)が住職になり浄土宗西山派の寺院となりました。以来今日まで、約八百年永観堂は浄土宗西山禅林寺派の根本道場として、法灯を掲げています。
 歴史の変遷とともに永観堂も隆盛・衰退を見ますが、近代を迎えると、71世の徹空俊玉僧正(?-1881)は社会福祉事業に貢献されました。師は京都府立病院の前身にあたる療病院の設立に尽力されました。
 永観堂が浄土宗の寺院へ変わったのは、すべての人々が救われる道をそこに見いだしたからです。今も阿弥陀如来の慈悲に導かれ、永観堂は多くの人々の篤い信仰に支えられています。

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永観堂の文化財

 「絹本着色山越阿弥陀図」(伝恵心僧都)、「金銅蓮華紋磬」(唐代)、「紙本墨画波涛図」(長谷川等伯)など国宝重文級五十八点が特に有名。その他多数の障壁画。
阿弥陀堂、釈迦堂、納骨堂、鐘楼、勅使門、中門は府指定文化財(平成17年指定)。

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年中行事

永観堂では日々の日課や法要のほかに、たくさんの行事がとりおこなわれます。
太字は一般の方も参加していただけます。


行  事
1月   1日   修正会
  15日   大般若会 六阿弥陀功徳日
2月   6日   守家法要
  8日   六阿弥陀功徳日
  14日   念仏行道会(14日~15日)
  15日   涅槃会
3月   14日   六阿弥陀功徳日
  25日   法脈相承(加行:けぎょう)(~4月4日まで)
4月   15日   六阿弥陀功徳日
  22日   御忌会(ぎょきえ)(~4月25日まで)
5月   15日   歴代法主法要
  18日   六阿弥陀功徳日
6月   中旬   夏安居(げあんご)
  19日   六阿弥陀功徳日
  26日   明石忌
7月   14日   六阿弥陀功徳日
  25日   虫干会
8月   1日   緑蔭法話(~8月3日まで朝7時より)
  15日   六阿弥陀功徳日
  19日   宗学院(~9月5日まで)
9月   1日   耆山忌(ぎざんき)
  9日   放生会(ほうじょうえ)
  18日   六阿弥陀功徳日
10月   8日   六阿弥陀功徳日
11月   2日   永観律師忌
  9日   西山上人降誕会(ごうたんえ)
  24日   六阿弥陀功徳日
12月   8日   成道会(じょうどうえ)
  24日   六阿弥陀功徳日
  31日   除夜会 除夜の鐘