宗祖法然上人800回大遠忌

法然上人を歩く旅から


 

第14回 桂川 - 叡電修学院 18.9km

桂川
桂川(久世橋から)

 平成22年5月16日(日)、第14回歩く旅はJR桂川駅から京都の北の叡電修学院駅まで18.9kmを歩く。週間予報では雨だったけれど、当日は晴れ渡った五月晴れとなった。
 午前9時過ぎ、駅前にて恒例の記念撮影。総勢57名が駅を出発し東進する。時間は9時過ぎ。気温は早くも21度を超す。新幹線の高架下を過ぎ、国道171号線にかかる陸橋を渡ると桂川にさしかかる。久世橋の上には爽やかな川風が流れ、川岸には白い花の野草が見える。橋を渡って道を北にとると道の側に松の木々があり、昔の西国街道の趣が残る。道ばたの日向地蔵の祠を清掃されている方々に挨拶をして通り過ぎると、道は右に大きくカーブして吉祥院西の茶屋に入る。吉祥院商店街を東進すると、路傍には「旧西国街道」と記された石の道標が民家の軒下に設置されている。商店街を抜けてさらに東進すると九条通りに出る。通りには白いハッピ姿の男衆があふれ、遠くに御輿が見える。松尾大社が関係するお祭りとのこと。
 九条通りをさらに進むと、千本通りとの交差点にさしかかる。ここは羅生門跡であるが、今は石碑があるのみで、脇ではマンションの基礎工事が進んでいる。発掘調査でも遺物が見つからなかったとの話で、工事が許可されたのであろう。

桂川駅で記念撮影

JR桂川駅で記念撮影

永観堂で記念撮影

永観堂(御影堂)にて記念撮影

 岡山から歩いて来た西国街道もこの羅生門で終わり、京の都に入る。また、千本通りは京都でもっとも古い道の一つで、「鳥羽の作り道」と言われ平安京造営にともなう資材運搬の道として拓かれたといわれ、法然上人は久安三年(1147)二月十三日都へ入り、ここで摂政の藤原忠道に出会ったと伝えられている。
 しばらく行くと東寺。桂川を出てほぼ1時間が過ぎ、南大門から境内に入って小休止をとる。東寺の境内を縦断して北大門を出て大宮通に入って北上する。すぐにJRの大きなガード下となり、これを抜けると青葉がまぶしい梅小路公園に出る。七条通を渡り右手に龍谷大学の校舎を眺めながら北上し、五条通を過ぎると道ばたに救急車が停車しており交通事故の処理がなされている。交通量の多い市街に入って来たことを実感する。四条大宮の駅前で再び小休止をとる。時間は11時。ここから先の大宮通は歩道がないため、四条通を東に進んで堀川通りに入って北上する。修学旅行生があふれる二条城を過ぎて丸太町通りに入る。ここからは永観堂までは東に一直線の道。烏丸丸太町の堺町御門から京都御苑に入って昼食をとる。昼食後に次回の比叡山登山の説明がなされたのち、12時40分に永観堂を目指して御所をあとにする。日差しのまぶしい丸太町通をひたすら東進する。河原町通を過ぎ、鴨川を渡って東大路の交差点を超え岡崎から東天王町の交差点に至る。住友コレクションを展示する泉屋博古館前を過ぎると永観堂は目と鼻の先。午後1時半、一行は永観堂の総門をくぐり、カエデの青葉があふれる境内へ。法然上人をお祀りする御影堂の前で、岡山-京都間を歩き通したことを報告し、無事に比叡山に至ることを祈念してお十念を唱える。堂内では回向の読経の声が流れている。記念撮影をすませて参拝の記念絵はがきと参加スタンプをもらっていると、堂上に中西ご法主が姿を見せられて一行に労いと激励の言葉をおかけになる。予定していなかったご法主の言葉に一同は再び手を合わせて合掌。
 2時前に永観堂を出て哲学の道に入る。哲学の道から奥まったところに、法然上人と関係の深い安楽寺、法然院がある。安楽寺は上人の四国配流(建永の法難)の原因となった住連、安楽の念仏道場の地であり、法然院は上人が六時礼賛を勧めた草庵ゆかりの地である。一行は門前にてお十念を唱える。日曜日とあって、哲学の道は観光客が多く、僧形の一行を珍しそうに見送っている。法然院から哲学の道に戻り、銀閣寺の近くで最後の小休止をとる。ここからは白川通を真北に上っていく一本道。午後3時20分、叡電修学院に到着。
 京都の市街を西から東、南から北へ横断・縦断する、まさに洛中を歩き通した旅でした。次回は10月3日(日)、比叡山延暦寺に至る最終回を予定。(事務局 結城記)

久世橋
久世橋を渡る(向日市)
東寺
東寺に向かう(南区)
鴨川を渡る
鴨川を渡る(丸太町通)
永観堂に到着
永観堂に到着(左京区)
中西ご法主のお話
中西ご法主のお話(左京区)
法然院へ
哲学の道から法然院へ(左京区)
 
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